【V3セキュリティ】セキュリティソフトのおすすめ2021

セキュリティソフトって種類が多いけど、結局のところどれが良いの?
そもそもセキュリティソフトって必要? Windows Defenderだけだと何がダメなの?

皆さん、セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)は何を使っていますか?
ESETの人も、ウイルスバスターの人も、カスペルスキーの人もいらっしゃると思いますが、結局のところ一番良いのはどれ? どのセキュリティソフトがおすすめ? 気になりますよね。
僕はAhnLab V3セキュリティーの軽量性能とメンテナンスフリーなところに惚れ込んでいて、レビュー記事の執筆後も引き続いて使っていますが、本当に良い感じです。詳しい人ならその良さを理解できると思うし、初心者の方はインストールするだけで十分な効果を得られるので、幅広くおすすめできるソフトだと思います。
この記事でも説明していきますが、セキュリティソフトを選ぶポイントを、僕は「軽さ」「邪魔しないこと」と定義しています。一定水準以上の性能があって、この両方を満たすのはAhnLab V3セキュリティー含めていくつかご紹介します。なぜ「軽さ」「邪魔しないこと」が選ぶポイントになるのかについても、当記事でしっかりご説明していきます。

ところで、Windows10には最初から組み込まれているセキュリティソフトがあります。
Windows Defenderといって、もしあなたが未だにセキュリティソフトをインストールしていないなら、自動的にWindows Defenderが動いているはずです。
最もWindowsと親和性の高いセキュリティソフトと言えますが、これって正直なところどうなの? セキュリティはWindows Defenderだけで十分? 他社製品に乗り換える必要性はあるの?

この点についても記事で詳しく見ていこうと思いますが、結論だけ先に言ってしまうと、近年ではWindows Defenderの性能が上がってきており、他の無料セキュリティソフトと遜色ないレベルに達しているように思います。ただ、無料と有料の間には相当に大きな壁があるのも確かで、どのくらいの違いがあるかについても、今回の記事の中で詳しく説明していこうと思います。

僕は20年ほどパソコンソフトの販売を手がけています。セキュリティソフトも個人向けから業務用まで幅広く扱った経験があり、最近では従来型のセキュリティソフトとは異なる仕組みのプロ用セキュリティソフトの販売代理店としても活動しています。
この記事はあくまで僕個人の意見にすぎませんが、少しでも皆さんの参考になり、あなたにとってベストチョイスなセキュリティソフトに出会えるきっかけになってくれれば嬉しいです。

■ 以前とは全然違うセキュリティソフト

現在ではもう少し広い意味でマルウェアと呼ばれていますが、これがまだコンピュータウイルスと呼ばれていた頃は、メールやホームページなどに仕掛けられていて、それを開くことで感染して様々な悪さをするというのが定番の流れでした。このころのセキュリティソフトは、如何に多くのウイルスを発見できて、防御、駆除できるかが性能の指針でした。
現在はまったく違います。これは過去の話です。

現在では、例えばランサムウェア、フィッシングサイト、ゼロデイ攻撃、追跡ツール……様々な驚異が登場し、攻撃手段も多様性を極めるようになりました。
セキュリティソフトも、単にウイルスを発見するだけでなく、ランサムウェア対策やゼロデイ攻撃対策などの機能が求められ、現在ではそちらの方が主戦場になりつつあります。

多分、よっぽどパソコンに興味のない方以外は、「ランサムウェア」「フィッシングサイト」あたりは聞いたことがあると思います。
ランサムウェアは、別名身代金要求型ウイルスとも呼ばれ、ある日突然パソコンが動かなくなります。マウスでクリックしても、何も反応がないのです。
やがて画面上にメッセージが表示されて、「パソコンに保存されたデータを返して欲しくば、お金を払え」と要求してくるわけです。だから身代金要求型ウイルス。
これに感染すると、ほぼ駆除は不可能です。

フィッシングサイトは、例えばメールやサイトのリンクをクリックして、Amazonとそっくりなサイトに誘導されます。見た目ではまるで見分けがつかないので、ついうっかり買い物したりするのですが、クレジットカードや住所等を引き抜かれるという仕組みです。近年、メールで「Amazonからのお知らせ。ユーザ情報を更新する必要があります。ログインして確認してください」というメールが送られてきて、そこからAmazonのログインパスワードを引き抜かれてしまうケースも増えています。楽天、Yahoo!、ドコモなどなど、数多くのフィッシングサイトが存在しています。

これ以外にも多岐にわたる攻撃手段が誕生している現在、以前のようにウイルスを検知する性能にだけ注目していると見誤ってしまいます。
現在のセキュリティソフトのトレンドは、こうしたランサムウェア、フィッシングサイト、ゼロデイ攻撃といった新しい攻撃に対抗する技術の研究開発です。
キーワードは「AI(人工知能)」と「クラウド」です。

閑話休題:セキュリティソフトの第三者評価機関

セキュリティソフトのWebサイトやパッケージ外箱などを見ると、「AV-TESTで1位」「AV-Comparativesでアワード獲得」みたいな受賞歴が表記されています。
これらはセキュリティソフトの第三者評価機関の名前で、一定の審査を経て優秀な成績を獲得すると受賞できる仕組みなんですが、あるセキュリティソフトメーカーの告発によると、内側としては審査料ビジネスであり、もし問題があっても再試験できる制度があったりするなどで信用できない、などと言っていましたが、それでも一応は審査はしているので、少なくとも一定程度の性能を確認しているくらいは認めて良いんじゃないかと思います。
ただ、注意したいのは、この評価の基準は昔ながらの「ウイルスをどれだけ発見して駆除できるか」というところで、本項で解説したように、すでに主戦場は移ってしまっているので、無意味とまでは言いませんが、その点は踏まえて受け止めるべきかなと思います。

■ セキュリティソフトもAI、クラウドの時代へ

従来のような、ウイルスを如何にたくさん発見して、防御、駆除できるか、その検出率を指標にする時代は終わりました。
他のIT技術と同じく、セキュリティの世界にもAIやクラウドの技術が必要とされるようになってきました。

従来型のセキュリティソフトは、総当たり戦で守るという方法が採られていました。
10万種類のウイルスがあったなら、10万種類の手配書(パターンファイル)が用意され、それをダウンロードして防御に当てるという方法です。
この方法だと、もし漏れがあったらアウトです。
前述したAV-TESTなどで評価されている検出率はこの部分のことで、どれだけのウイルスに対応しているかが指標だった時代の評価方式です。

でも、例えば新種のウイルスが誕生したらどうなるでしょうか?
そのウイルスが発見され、セキュリティソフトのメーカーが対策し、パターンファイルを作成、各ユーザがダウンロードするまでの期間、新種のウイルスは本当にやりたい放題です。
このことをゼロデイ攻撃と呼んでいますが、これに対抗するためにAIが用いられています。
ビヘイビア分析と呼ばれる技術で、たとえ手配書(パターンファイル)にないウイルスでも、挙動に不審な点があるとAIが判断したら、その動きを封じ込めるように作られています。

新種のウイルスは、1日平均100万以上という猛烈なスピードで誕生しています。
対抗するパターンファイルの分量も激増していて、パソコンへの負担も少なくありません。
そこでクラウドの出番となります。
セキュリティソフトのデータベースや機能の一部をクラウド側に設置することで、パソコンへの負担を軽減させる技術が開発されています。

この2つの例はAIやクラウド利用の一例に過ぎず、現在メーカー各社が技術開発と新機能の実装に取り組んでいます。

■ セキュリティソフトは本当に必要なの?

世の中には色々な趣味の人がいますから、セキュリティを趣味にしている人たちも存在します。
ウイルス感染やハッキング、通信傍受に暗号化技術などなど、セキュリティに関する知識や実技を積み重ねることに楽しみを見出す人たち。
ネットでちょっと検索すれば、ウィキ形式のコミュニティサイトや掲示板のスレッドなどがいくつも見つかると思います。

こうしたセキュリティを趣味にしている人は別として、普通にパソコンを使うような人にとって、セキュリティソフトを入れる意味って何でしょうか?
僕は、実際のところお守りに過ぎないと思っています。

普通の人が普通にパソコンを使うとき、普通にWebサイトを閲覧したり、普通にメールを開き、普通に通信サービスを利用するだけです。
わざわざアングラサイト(違法サイト)を見に行ったり、ネット犯罪に首を突っ込んだりするような人はあまりいないかと思います。
せいぜいアダルトなサイトを見に行く程度であれば、まあ普通の範囲に含まれると思います。

そういう普通の人が、不正アクセスの被害に遭ったり、マルウェアに感染して実害を被る可能性というのは、おそらく皆さんの体感的にはそれほど高くないかなぁ……自分や自分の周囲でもたま〜に聞く程度で、それで人生終了みたいな被害を受けた人なんていませんよね。それが普通だと思います。

アメリカ市民の銃保有率は、だいたい40%くらいだそうです。
アメリカの人口が3億2800万人だそうですから、その40%というと1億3千万人超の人々が銃を持っているそうです。
日本の人口は1億2800万人なので、生まれたての赤ちゃんから介護老人まで日本人全員が持っているよりも多いわけです。
でも実際にアメリカに旅行や仕事で渡航した人が、銃犯罪に巻き込まれるリスクはどのくらいあるか……多分、可能性的にはそれほど高くないと思います。
だからと言って、海外保険にも加入せずに渡航する人は少なかろうと思います。
向こうで怪我でもしたら、全額自腹です。
重体になったり死亡した場合、帰国の費用だけでそこそこの高級車が買えるくらい必要になります。
知り合いが現地で大怪我をして重体になったとき、2ヶ月の病院代、パートナーの宿泊費、帰国時の飛行機、付き添いで搭乗した医者の費用、全部で1000万円を超えたと聞いています。到底自己負担できる金額ではありません。
だから普通の人は、お守り代わりに保険に加入するわけです。

例えば台湾とかに遊びに行く人は、海外保険の金額も安いはずです。危険性が低いから。台湾で銃犯罪に巻き込まれる可能性は低いし、医療設備もだいたいしっかりしているので、そんなにリスクを網羅する必要はないし、ざっくり風邪や食中毒、骨折程度までを想定すれば十分なので値段も安くなるわけです。旅行ツアー会社が用意する保険は、徹底的にリスクを網羅するので、それでも倍額くらいになりますね。

普通の人がセキュリティソフトを購入する本質は、基本この海外保険と同じで、お守り代わりです。
まさか自分のパソコンが感染するなんてリアルに想定している人は少ないと思います。

今回は、そんな普通の人におすすめな選び方をアドバイスしたいと思います。

■ セキュリティソフトの性能はだいたいどれも一緒

いきなり暴論ですが、セキュリティソフトの性能なんて、普通の人にとってはだいたいどれも一緒です。
前述したAV-TESTとかAV-Comparativesの評価は、もはや無料のセキュリティソフトだって1位を獲得しているので、もはや差別化の役には立っていません。
しかも、今どきのセキュリティソフトならランサムウェア対策も、ゼロデイ攻撃への対応も、フィッシングサイトへのアクセス防止機能も大抵搭載されています。
もちろん厳密にはメーカー各社で取り組み内容にも違いがあるはずですが、パッと見で外からは判断できません。

現実的な話をしてしまうと、例えばA社のセキュリティソフトでは防げたけど、B社のソフトでは防げなかった、なんてピンポイントな攻撃はほとんどありません。そこを追求したところで、普通のパソコンの使い方をしている分には出番はありません。

だから僕は選ぶなら「軽さ」と「邪魔しないこと」をおすすめします。

セキュリティソフトはお守り。
お守りがやたら重かったら家に置いたままにしますよね。
セキュリティソフトは軽量なものを選ぶといいです。

また、お守りが自己主張するのも嫌なもんです。
起動するたびにポップアップで通知されるとイラッとしますよね。
セキュリティソフトは普段は静かなものがいいです。

まず、軽さで有名なのは「ESETインターネットセキュリティ」です。
発売以降、ずっと軽いと評判の良いソフトです。
僕も使っていたことがありますが、確かに軽いです。
さらに前項で解説したようなAI学習機能を用いたビヘイビア分析、クラウドによるプロテクション機能、被害拡散を防ぐサンドボックス機能、レピュテーション機能などさまざまな周辺機能を実装しています。これだけ作り込まれていても軽量なのはさすがで、本当に大変優秀だと思います。

邪魔しない、静かさでいいなぁと思うのは「AhnLab V3セキュリティー」です。
これは素晴らしい。1週間くらいパソコンの電源を入れなかった場合でも、たいていポップアップは表示されません。
Windows10の一番右下にあるアクションセンターのところをクリックすると「アップデートしました」とぽつん、と表示されるくらいです。
このソフトは軽さの点でも大変優秀で、思わず存在を忘れそうな感じです。ESETと同等か、またはそれ以下に思える負荷です。
性能面でもビヘイビア分析、レピュテーション機能、クラウドによるプロテクション機能、ファイアウォールを強化するIPS機能なども実装されており、次世代のセキュリティソフトとしてはかなり優秀です。

「ESETインターネットセキュリティ」も「AhnLab V3セキュリティー」も、性能的には遜色ありません。
軽さの点でも、ほぼほぼ同じ水準にあると言って良いと思います。どちらも素晴らしいです。
ただ、通知の仕様ではV3がリードしています。本当に静かです。
あとは値段ですが、全体的にV3の方が少しだけ安めです。もしかするとセールのタイミングなどでは逆転するかも、くらいの差です。
どっちを選んでも、きっと後悔はしないんじゃないかなと思います。

■ Windows Defenderやフリーでも大丈夫? Windows10なら必要ない?

確かな話、ここ数年来、Windows10に最初から組み込まれているWindows Defenderの性能は向上しています。
以前の「おまけ程度」から「どうにか使える程度」にまで成長しており、マイクロソフトの取り組みの本気さはすごいなぁと正直に思います。
AV-TESTやSE Labsなどで2020年に1位を獲ったということで、その結果、一部の詳しい人の間では、「Windows Defenderだけでセキュリティは十分」という意見まで出ていますが、実際のところ、そこまで評価するのは行き過ぎです。

前述した通り、AV-TESTなどの評価は、前時代のウイルス検出率を基準にした評価であって、クラウドとかAIによる防御力などは大きく加味されていません。Windows Defenderの成長は、今のところこの部分にとどまっています。これまで見てきた次世代の脅威に対する機能は、やはり専門メーカーの方に分があります。
とはいえ、全く機能がない、ということではありません。
Windows Defenderでは初期状態では無効になっていますが、ランサムウェア対策機能をオンにすることができます。
また、クラウド検知(クラウド上に手配書が置いてある)の機能もオンにすることができるので、簡単なクラウド利用の機能も搭載されているようです。
設定画面から判断できる範囲になりますが、Windows Defenderのは簡易的な内容にとどまっており、少なくとも2021年の段階でWindows Defenderと専門メーカーのセキュリティソフトを同等レベルで扱うのはちょっと難しいかな、という印象を持ちました。

では、アバストに代表される無料セキュリティソフトについてはどうでしょうか。
ホームページ上では、AV-TESTで上位を獲得したというアピールが見つかりました。また「AIセキュリティ」などの文言もあります。
ただ、更によく見てみると、無料版ではランサムウェア対策機能は「非搭載」になっており、有料版にすることでランサムウェア対策、フィッシングサイト対策、ファイアウォールなどの機能が搭載されると説明がありました。つまり、無料版はその辺がごっそり抜け落ちているようです。

Windows Defenderは無料ですが、ランサムウェア対策やクラウド、ファイアウォールの機能が搭載されていたので、Windows10ユーザがわざわざ積極的に乗り換える意味はないでしょう。このあたりの無料セキュリティソフトとの勝負であれば、Windows Defenderはかなり優勢だと思います。

有料のセキュリティソフトと、無料のセキュリティソフトの差を考えると、このAI技術やクラウド活用といった、言い換えるとお金のかかる部分がまるっと省かれている点であると考えて良さそうです。Windows Defenderは、そのちょうど真ん中あたりという感じ。

では、普通の人にとって、このAIやクラウドの技術は必要なのでしょうか?
ここに価値を認めれば払えば良いし、価値がないなら無料でいいのですが、価値も何も、まだよく分からないよ……
そこでもうひとつ選ぶ時のポイントにしたいのが、「サポート」です。

もし不幸にもウイルスに感染したり、ランサムウェアによってパソコンが操作できなくなった時、まず何をすれば良いか、なんとなくでも想像できますか?
できないなら、有料のセキュリティソフトにしておくことをおすすめします。
有料セキュリティソフトのほとんどには、専用のサポート窓口が用意されています。
もし朝パソコンを開いて、操作できなくなって、英語で何やら警告文が出ていたら、とりあえず電話して何をすべきか聞けるというのは、とてもありがたいことだと思います。
これぞお金を払う価値です。

この点では、「ウイルスバスタークラウド+デジタルライフサポートプレミアム」や「ESETスマートセキュリティまるごと安心パック」など、いわゆる初心者向け総合サポートを付帯している製品も出ています。
セキュリティだけでなく、パソコン関連の幅広いお悩み、質問に対応しており、あれこれ相談できる専用の電話窓口を用意しています。
緊急時だけで良いのなら、日本で流通している有料セキュリティソフトなら、たいていは電話サポートが付いています。

Windows Defenderや無料セキュリティソフトには、このサポートがついていません。
どの製品のページを見て回っても、サポートについて触れられていません。
つまり、万一の時は孤立無援になるということです。
誰も助けてくれない心細さを回避するには、多少の費用を掛けるのが良いと思いますよ。

■ 結論:セキュリティソフトのおすすめは?

今回僕は、性能で比較したって普通の人に違いは分からないし、実際に活躍する場面もほとんどないと思うので、性能で選ぶより使うときの邪魔にならないことの方が重要って論点で記事を書きました。

これを踏まえて、僕個人としては、AhnLabのV3セキュリティーが理想的だという結論に至りました。
文中にも書いた通り、とても軽く、通知は控えめ。インストールしていることを忘れそうな感じです。
セキュリティソフト相手に遊ぶわけでもないし、セキュリティソフト自体を仕事で使うわけでもないので、これで良いと思っています。
自己主張しないのって素敵。

セキュリティソフトは性能を数値化してアピールするような側面があるので、消費者もそこに注目が偏ってしまいがちになっていると思います。
もしセキュリティソフト選びに迷っている方は、ぜひ一度性能から一歩引いてみて、他の観点から選んでみたら良いかと思います。
ぜひお試しください!