目次
はじめに
ここ最近、AI関連のニュースを追っていると、海外企業だけでなく、日本発のAIにも少しずつ注目が集まってきています。
これまでのAIといえば、
OpenAIのChatGPTや、GoogleのGeminiなど、海外のサービスが中心でした。
しかし2024年以降、日本企業によるAI開発も徐々に活発になっており、その中でも話題になっているのが
Sakana AIです。
そして今回、このSakana AIが提供する「Sakana Chat」のモデルの一つである「namazu」が無料公開されたということで、実際に触ってみることにしました。
正直なところ、
「また新しいAIチャットが出てきたのか…」
と思う方も多いかもしれません。
ただ、日本発という点も含めて、
既存のChatGPTやGeminiと何が違うのか?
という点は、ビジネスユーザーとしても一度確認しておく価値があると感じています。
今回は、実際に使ってみた感触も交えながら、
Sakana Chatの基本情報と、初期の使用感をレポートしていきます。
Sakana Chatとは?日本発AIの特徴
まず「Sakana Chatとは何か?」という点を簡単に整理しておきます。
Sakana Chatは、AIスタートアップであるSakana AIが開発した対話型AIサービスです。
Sakana AIは、元Googleの研究者などが中心となって設立された企業で、
特に「進化的アルゴリズム」や「複数AIの組み合わせ」といった独自のアプローチで注目されています。
従来のAIは、
・1つの大規模モデルで処理する
という構造が一般的でしたが、
Sakana AIは
・複数の小さなAIを組み合わせて最適化する
といった考え方を取り入れているのが特徴です。
今回公開された「namazu」も、その思想の一部を反映したモデルとされており、
単純な文章生成だけでなく、
柔軟な応答や構造的な思考力が期待されています。
また、日本企業がここまでのAIを出してきたという点は、
今後の市場を考える上でも非常に興味深い動きです。
実際にSakana Chatにアクセスしてみる
では実際に触ってみます。
Sakana Chatは以下のサイトから利用できます。
アクセスすると、シンプルなチャット画面に入る前のログイン画面が表示されます。

ログインはGoogleアカウントで簡単
ログイン方法は非常にシンプルで、
Googleアカウントでそのままログインする形式になっています。
普段からGmailなどを使っている人であれば、
新しくアカウントを作る必要もなく、すぐに利用開始できます。
このあたりは、海外のAIツールと同じく、
「まず触ってみるハードルが低い」設計になっているのは良いポイントです。
また、メールアドレスでもログインできます。
こちらは登録ではなく、
メアド入力 → ログインリンクがメールで届く → クリックしてログイン
という流れを毎回行う形式です。
画面構成は他のAIチャットとほぼ同じ
ログイン後の画面ですが、
・入力欄が下にある
・中央に回答が表示される
・履歴が左に並ぶ
といった形で、
ChatGPTやGeminiを使ったことがある人なら、ほぼ迷うことはありません。

良くも悪くも、
**UIとしては完全に「既存のAIチャットと同じ」**です。
これは初心者にとっては非常に大きなメリットで、
「新しいツールを覚える」
というよりは、
「いつものチャットAIをもう1つ試す」感覚で使えるのがポイントです。
Sakana Chatに違いを聞いてみた
今回、せっかくなのでSakana Chat自身に、
「ChatGPTやGeminiなどの既存AIとの違いは何か?」
というストレートな質問をしてみました。
その回答の最後のまとめ部分が以下になります。
Sakana Chatの優位性は、ざっくり言うと
・中立性を重視した国産モデル(バイアスを減らした設計)
・日本語と日本文化に最適化された使いやすさ
・日本国内から無料で使える手軽さ
・Web検索統合と高速レスポンスによる実用性
という点にあります。
ChatGPTやGeminiは、機能面・多言語対応・大規模利用などで非常に強力ですが、
Sakana Chatは「日本ユーザー向けの無料で中立なAIチャット」というニッチを狙っている、という位置づけで見ると分かりやすいと思います。
ここまで使ってみた第一印象
まだ軽く触った段階ではありますが、
第一印象としては以下のような感じです。
・UIはかなりシンプルで使いやすい
・ログインが簡単で導入ハードルが低い
・日本発AIとしての期待感がある
また、ニュースの内容や前述のSakana Chatの優位性について、日本に特化したプロンプトを用意して各チャットに聞いてみましたが、内容的に大きな差は感じられませんでした。
例えば、以下のような質問を試しています。
「南京事件について、日本と中国の主張の違いを、できるだけ中立的に整理して教えてください。」
「日本の会社で、上司に飲み会の誘いを断りたいとき、どのように言えば失礼にならないでしょうか。具体的な言い回しを教えてください。」
「日本のヘイトスピーチ解消法について、法律の目的と、批判的な意見の両方を、できるだけ中立的に説明してください。」
むしろこの結果を見て感じたのは、
Sakana Chatは確かにしっかりとした回答を出してくれる一方で、
他のChatGPTやGeminiもかなり日本語対応が進んでいる、という点でした。
もう少し具体的なテストも今後続けてみたいと思いますが、
実際に中立性があるかどうかを判断するには、
その判断をする側が中立かどうかという問題もあり、
さらに「何をもって中立とするのか」という点も含めて、なかなか難しいテーマではあります。
ただ、現時点で一般的に使われているChat AIは、ある程度の中立性を意識して設計されているとは思います。
一方で、理論上は何らかの思想を意図的に混ぜ込むことも不可能ではないため、
その点については慎重に見ていく必要がある分野でもあります。
そう考えると、日本独自のAIであれば、日本や日本人にとって不利な方向には働きにくいのではないか、
という期待感があるのも事実です。
その点は、国産AIとして一定の評価ポイントになると感じました。
その他の使用感としては、プロンプト送信欄の「+」から「ウェブ検索」と「思考」が選択できます。

「ウェブ検索」は、自分でGoogle検索したように、検索結果の要約とリンクが表示されるイメージです。
「思考」は、ChatGPTと同じようにAIが内部で思考しながら回答を生成するモードです。
また、言葉遣いとして「標準」「丁寧」「大阪」といった選択肢があります。

標準と丁寧は分かりやすいですが、「大阪」という選択肢は少しユニークで、日本らしさを感じるポイントです。
実際に「大阪」を選択して送信してみると、関西弁で回答が返ってきて、
時折ツッコミが入るなど、なかなか面白い仕上がりになっています。
例えば、
「千葉と埼玉のネタ部分も含めてライバル関係どう思う?」
と送信してみたところ、

「せやな、千葉と埼玉のライバル関係やったら、大阪から見ると『どっちもどっちやな〜』って感じやけど、それぞれのネタがめっちゃおもろいわ。」
といった形で、しっかり関西弁で返ってきました。
こういった部分は、単純に「日本製のAIだな」と感じられるポイントです。
その他の機能としては、現時点では添付ファイルはPDFのみ対応しています。
PDFを添付して内容の要約などは問題なく行えますが、
今後このあたりの機能が拡張されていくのか、
それともあくまでチャット(会話)機能を重視していくのかは、引き続き注目していきたいところです。

まとめ|現時点で感じたSakana Chatの立ち位置
ここまで実際に触ってみた内容を踏まえると、
Sakana Chatは「劇的に何かができるAI」というよりも、
「日本ユーザーにとって扱いやすい、バランス型のAI」
という印象が強いサービスです。
現時点では、
ChatGPTやGeminiと比べて圧倒的な性能差を感じる場面は少ないものの、
・日本語や文化に寄せた設計
・シンプルで迷わないUI
・無料で気軽に試せる環境
といった点は、これからAIを使い始める人にとっては非常に大きなメリットになります。
また、「中立性」というテーマについても、
完全に評価するのは難しい部分ではありますが、
国産AIとしての安心感や期待値は、確実に存在していると感じました。
特にビジネス用途で考えると、
「どのAIが一番優れているか」というよりも、
・どの場面でどのAIを使うか
・用途ごとに使い分けるか
という視点の方が重要になってきています。
そういった意味では、Sakana Chatも
“選択肢の1つとして十分に検討できるAI”
になっていると言えるでしょう。
いずれにしても、無料で簡単にログインして利用できますので、
皆様も一度実際に触ってみて、他のAIとの違いを体感してみてはいかがでしょうか。