AIが「相談相手」「壁打ち相手」として使われ始めている【前編】

AIニュース AIが「相談相手」「壁打ち相手」として使われ始めている【前編】

気軽に「相談できる相手」、いますか?

「誰かに話したいな…」「でも、誰に話せばいいんだろう」
そんな場面、最近増えていませんか?

仕事や家庭、人間関係、将来のこと――
大事な話ほど、身近な人にこそ相談しにくいものです。

・家族や同僚には迷惑をかけたくない
・「そんなことも分からないの?」と思われそう
・弱音を吐くのがカッコ悪く感じてしまう

結果的に、「誰にも言えずに抱え込んでしまう」。
そんな相談難民のような人が、年齢を問わず増えているように感じます。


話せない時代、増える「壁打ち」ニーズ

近年よく耳にする「壁打ち」という言葉。
これは“誰かに話しながら自分の考えを整理する”ことを指します。

企画や提案を考えるとき、モヤモヤを言語化したいとき、
誰かに軽く話してみるだけで、スッキリまとまる経験はないでしょうか?

でも実際には…

  • 話を聞いてくれる人が周囲にいない
  • 忙しそうな相手に話しかけづらい
  • 深い話をするほど関係性が必要になる

といった壁にぶつかり、「一人で考えて終わってしまう」ケースも多いのが現実です。


そんな中で広がる「AI壁打ち」という選択肢

最近では、この“壁打ち相手”のポジションにAI(人工知能)を活用する人が増えています。

たとえばChatGPTなどの対話型AIを使って、
・自分の考えをぶつけてみる
・アイデアを聞いてみる
・愚痴や悩みをとりあえず言ってみる
といった使い方がされているのです。

これが意外と、ちょうどいい距離感で話せて気が楽、という声も多く、
若年層を中心に「もうAIに相談すればいいや」というスタンスが広まり始めています。


AIが壁打ちに向いている4つの理由

気兼ねなく話せる

AI相手なら、どんな愚痴も弱音もOK。
「怒られるかも」「変に思われたら…」という気遣いは一切不要です。

ときにはしょうもない悩みだって、AIは真剣に聞いてくれる。
人間にはちょっと言いづらい話でも、AIには気楽に話せるという心理的安全性が魅力です。

返事が早い・知識も多い

AIは数秒で返事が返ってきます
しかもそれなりに論理的で、知識ベースの回答をしてくれるため、
「すぐ整理したい」「時間がないけど誰かに聞きたい」時にピッタリ。

人に相談するよりも、時短で有益なヒントがもらえる場面もあります。

こちらの考えを整理してくれる

「つまりこういうことですか?」とAIが返してくれることで、
自分でもモヤモヤの正体がわかってきたりします。

  • 自分の言葉を要約してくれる
  • 質問で掘り下げてくれる
  • 整理しながら「なるほど」と思える

そんな対話を通じて、AIが思考の交通整理役になってくれるのです。

感情に流されない

人間相手の相談では、相手の機嫌や立場、感情が気になることもありますよね。
AIはそういった感情やバイアスを持たないため、
主観に振り回されず、冷静で中立な立場から助言してくれます。


実は「選挙」や「政治」でも活躍中?

AIの壁打ち能力は、選挙や政治の場面でも注目されています。

「公約がよく分からない」「どの党に入れるべきか迷う」
そんなとき、ChatGPTなどに公約の要約を依頼したり、
複数政党の違いを比較してもらうことで、判断の参考にする人が出てきています。

たとえば:

  • 「〇〇党と△△党の子育て政策を比較して」
  • 「この公約のメリットとリスクを教えて」
  • 「自分の考えに合う党を探して」

というように、自分なりの軸をもとに整理してもらえるのがポイントです。

さらに、AIは感情や偏見がないぶん、冷静に政策を並べてくれるのも利点です。
人に聞くと、無意識に推し政党の意見が混ざったり、
「その候補はちょっと…」と主観が入ることもありますよね。

その点、AIなら中立的な比較や要点の要約をしてくれるので、
判断材料の整理を一人で冷静に進めたいときに役立つわけです。

また最近では、ChatGPTのような生成AIに
「公約を読んで要点を教えて」とPDFを読み込ませたり、
「今の情勢ではどの党が有利か?」と予測の壁打ちをする人も増えています。

あるユーザーは実際に、

  • 各党のマニフェストをAIに読み込ませて、
  • 自分の興味ある項目(例:児童手当・減税・働き方改革)を指定し、
  • 比較表を自動で作らせたそうです。

しかもわずか10分ほどで「納得できる判断ができた」とのこと。
“時間がない人ほど、AIで判断が早まる”というのは選挙時ならではの利点かもしれません。

さらに、政治ジャンルに強いAIサービスやWebツールも登場しており、
「どの政策が自分に合うか」をボートマッチ形式でAIが診断してくれたり、
政党や候補者の演説データを分析して可視化するサービスも動いています。

ニュースでは“ホリエモンAI選挙”など、
全国の情勢をAIが分析して可視化する試みも話題になりました。

こうした流れを見ると、選挙とAIの関係は今後ますます深まりそうです。

ただし、AIが出した答えを「正解」として鵜呑みにするのではなく、
あくまで“自分の判断をサポートしてくれる壁打ち相手”として使うことが大切です。

自分の価値観や考えと照らし合わせて、
AIに投げかけながら、最終的な答えを導いていく――。

そんな「一人作戦会議」の相手として、AIはこれからもっと活躍するはずです。

個人の利用事例いろいろ

選挙だけでなく、日常のあらゆる場面で「壁打ちAI」は活躍中。
実際に聞かれた使い方をいくつか紹介します。

● 愚痴やモヤモヤの吐き出し

職場のストレス、家庭の悩み、人には話せないちょっとした不満…。
そんな気持ちを、誰にも見られず、否定もされずに話せる場として、AIを使う人も増えています。

「夜に布団の中で、ひとことだけ愚痴を聞いてもらって寝る」なんて人も。

● キャリアや将来への不安相談

「このままでいいのかな」「転職するか迷ってる」
そんな不安をAIにぶつけてみたら、
「まずは何に不安を感じているか言語化してみましょう」と促され、
自然と自分の考えを見直すきっかけになったという声も。

中には「AIの励ましで泣きそうになった」なんて話も聞かれます。

● やる気を引き出す相棒として

「今日も何もできなかった…」と落ち込んでいるときに、
「大丈夫、少しでも進んだら十分です」と優しく返してくれるAI。

ToDoを相談したら、「まず5分だけやってみましょう」と小さな一歩を提案され、
気持ちが切り替わって動けたというリアルな体験談もありました。

● 発想の壁を破るブレストに

「なんとなく言いたいことはあるけど、うまく言葉にならない」
そんなとき、AIと対話することで発想が開けるケースも。

たとえば、「自分の作品をうまく紹介できない」と悩んでいた人が、
AIからの「誰に届けたいかをまず考えてみては?」という一言で、
一気に方向性が定まったという事例もあります。


今回のまとめと、次回予告

今やAIは、「検索ツール」や「作業効率化の道具」だけではなく、
“心の声を整理する相手”としての役割を持ち始めています。

特に日本のように「本音が言いにくい社会」では、
人に話す前にAIと壁打ちしておくというステップが、
これからもっと当たり前になっていくかもしれません。

次回の後編では、

  • AI相談で気をつけたいこと
  • AIとの付き合い方のコツ
  • 実際に使える便利なAIツールの紹介

などをお届けしていきます。

「相談って、人間にするものじゃないの?」と思っている方ほど、
次回の内容で新しい発見があるかもしれません。