目次
― AI活用ビジネスの重心はどこに移ったのか ―
生成AIが一般に広く知られるようになってから、まだ数年しか経っていません。
しかし、この短い期間の中で、AIを取り巻くビジネスの在り方は大きく変化しています。
特に近年、顕著になっているのが、
「AIとは何か」を説明する情報や教材から、 「AIをどう使えば成果につながるのか」を教える講座・教材へのシフトです。
初期のAIブームでは、
AIの仕組みや概念を理解すること自体に価値がありました。
一方で現在は、AIの存在をすでに知っている人が増えたことで、
「知っている」ことよりも「使いこなせているかどうか」が問われる段階に入っています。
本記事では、
AI講座・プロンプト教材の市場がなぜ拡大しているのか、
そしてなぜ「使い方」に特化した商品が評価されるようになっているのかを、
海外(特にアメリカ)と日本の動向を交えながら整理していきます。
AI活用ビジネスの重心はどこに移ったのか
生成AIを取り巻くビジネスは、ここ数年で大きな転換点を迎えています。
その象徴とも言えるのが、
「AIを説明する」こと自体が、以前ほど価値を持たなくなってきているという変化です。
生成AIの代表例として、多くのビジネスユーザーが日常的に利用するようになったのが
ChatGPT です。
このツールの普及によって、
- 基本操作は触れば分かる
- 解説記事や動画は無料で大量に手に入る
- 「概要説明」だけでは差別化にならない
という状況が生まれました。
その結果、「ChatGPTとは?」を主題とした講座や教材は、
情報としての希少性が下がり始めています。
「AIを説明する教材」が主役でなくなってきた理由
現在、多くのビジネスユーザーが抱えている悩みは、
AIを「知らない」ことではありません。
むしろ、
- 仕事にどう使えばいいか分からない
- 指示が曖昧で、出力結果が実務で使えない
- 同じツールを使っているのに成果に差が出る
といった、実務レベルでの課題です。
こうした状況の中で、
「AIの仕組みを理解する教材」よりも、
「どんな業務で、どう使えば成果が出るのか」を教える教材
へのニーズが急速に高まっています。
アメリカで先行する「使い方特化型」AI講座の潮流
アメリカでは、日本より一足早く、
AI教育・AI教材の重心が「使い方」に移行しました。
海外のAI講座や教材では、
- What is ChatGPT?
- How does AI work?
といったテーマは、すでに前提知識として扱われています。
現在主流となっているのは、
- How to use AI for sales
- How to use AI for marketing
- How to use AI to automate daily work
といった、成果や用途を明確にした講座です。
特徴的なのは、
「理解できたかどうか」ではなく、
「業務がどう変わったか」「どれだけ効率化されたか」
という観点で価値が示されている点です。
日本でも進む「具体的な使い方」重視へのシフト
日本では、アメリカよりやや遅れて同じ流れが進んでいます。
初期段階では、
- AIは難しそう
- 仕組みを理解しないと使えない
といった心理的ハードルが高く、
「AIとは何か」を説明する講座への需要が高い時期がありました。
しかし現在、日本のビジネスユーザーが重視しているのは、
- 実際の業務で使えるか
- 日本語や日本の商習慣に合っているか
- 社内で共有・再利用できるか
といった 実務への適合性です。
そのため、日本で評価されているAI講座・教材は、
業務別・シーン別に整理された
「すぐ使える構成」のものが中心になっています。
プロンプト教材が「商品」として成立する理由
プロンプトは、単なる文章入力に見えるかもしれません。
しかし、実務で使えるプロンプトは、
偶然に生まれるものではありません。
良いプロンプトには、
- 目的が明確に整理されている
- 前提条件が抜け落ちていない
- 出力形式や制約条件が指定されている
といった特徴があります。
これを毎回ゼロから考えるのは負担が大きく、
結果としてAI活用が続かなくなるケースも少なくありません。
そのため、
再利用できる形で整理されたプロンプト教材には、
時間と試行錯誤を短縮する価値が生まれています。
具体事例:メール・文書作成の効率化
多くの一般ユーザーが、
最初に効果を実感しやすいのが、メールや文書作成です。
曖昧な指示では、
それらしい文章は出てきますが、
実務では使いづらい内容になることが少なくありません。
一方で、
入力項目や条件が整理されたテンプレートを使うことで、
誰が使っても一定品質の文章を安定して作れるようになります。
この「再現性の高さ」が、
使い方特化型教材が評価される理由の一つです。
具体事例:企画・アイデア出しでの活用
AIは、いきなり答えを出すツールというより、
思考を整理し、選択肢を広げる補助役として活用することで真価を発揮します。
使い方に特化した講座では、
- どの順番で考えさせるか
- どの段階で評価・比較を行うか
といった「使う流れ」そのものが整理されています。
この順番を知っているかどうかで、
AIが「使える道具」になるかどうかが大きく変わります。
「使い方特化」の流れは、ツールの形にも表れている
こうした市場の変化は、
講座や教材だけでなく、AIツールの設計にも表れています。
近年は、
- プロンプトを一から考えなくてもよい
- 選択や入力によって自然に形になる
といった、属人性を減らす設計のツールが増えています。
弊社では、
画像生成向けのプロンプトを直感的に作成できるアプリ
「ChaChatGPTイメージナビゲーター」を提供しています。
構図や雰囲気を整理しながら進められるため、
プロンプト設計のハードルを下げ、
誰でも同じように画像生成を試せるよう工夫されています。
※以下「ChaChatGPTイメージナビゲーター」を使って今回のレポートのテーマで作成してみた画像です。

講座分野でも「実務に落とす」構成が評価されている
講座分野でも同様に、
仕組み解説中心の内容よりも、
- 業務別
- シーン別
- 実例ベース
で構成された講座が評価されています。
弊社で提供している
「AI最前線 ChatGPTビジネス実践講座」も、
実際のビジネスシーンを前提とした使い方に重点を置いた構成になっています。
これは、
「知識を学びたい層」よりも
「仕事を楽にしたい」「すぐに使いたい」
という層が増えている市場の変化を反映したものです。

まとめ:AI市場の主戦場は「使わせ方」に移っている
AIが広く普及した現在、
「AIを知っているかどうか」は、もはや差別化要素ではありません。
差が出るのは、
- どう使わせるか
- どう定着させるか
- どう再現性を持たせるか
という点です。
AI講座・プロンプト教材の市場拡大は、
AIが道具として定着していく過程で
必然的に起きている変化だと言えるでしょう。